2015年8月3日

第434巻 「富士の自然」


第434巻「富士の自然」
長田武正著 1978年刊行

「富士登山をする人の数は年に二十五万人とういう。山の人気もまた日本一である。それなのに「一度登ったら二度と登るな」ともいわれる。それは水も植物もない長い登山路のせいであろう」現在では夏になると老若男女が大挙して押し寄せ、信仰の対象であった日本一の山は、入山を規制しなければいけないほど俗化している現状です。この本の中に描かれる富士山とその周辺の自然こそ、日本人が敬虔な気持ちで山を仰いだ最後の時代の記録と言えるでしょう。


古来、富士の朝焼けは縁起が良いものとして、「赤富士」の絵を尊ぶ習わしがあります。「富士山はまぎれもない活火山。いまでこそ活動を止めてはいるが、『万葉集』からはじまって、『竹取物語』『伊勢物語』『更科日記』などにはみな煙をはく山と書かれ、『続日本記』(七八一)その他の文献に、合計十八回の噴火の記録がある」


「富士の登山者はみな同じ願いを抱いて苦しい道を登る。そのひとつは美しい御来迎に会うこと、もうひとつは山頂の火口をのぞくこと。」御来迎と噴火口、まさに地獄極楽はこの世にあると言うたとえが身にしみます。



河口湖町から小御岳の山頂に通じるスバルラインというアカマツや白樺の林が続く気持ちのよいドライブウエィがあります。現在はマイカー規制が入りシャトルバスが運行されているそうです。排気ガスによる森林破壊や環境の汚染が進んだためと思われます。





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