2015年3月12日

第421巻 「日本の陶磁9 薩摩」

第421巻 「日本の陶磁9 薩摩」
向田民夫著 1978年刊行

薩摩焼は、表紙の様な象牙色の肌に細やかな美しい絵付けのされた、当地では「白もん」と呼ばれる染付の磁器のことであると思っていましたが、時代や地域により様々なバリエーションがあり、この本で著者の紹介するコレクションは黒や茶の釉薬に爬虫類を思わせる肌を持つ、いかにも気味の悪い作品ばかりで、一度見たら二度ページを捲りたくないと思うほどでした。しかしながら前書きではその不気味な焼物たちが、「昔の人が日常的に用いた雑器」「民芸」であると著者が解説しています。
興味のあるかたは、現物を購入し、ご覧になってみてください。



深い黒色釉の色合いと、大ぶりで大胆に表現した肌や形は、武士階級の焼き物「白もん」に挑むような感情が感じられ、薩摩焼の背負う複雑な歴史が垣間見えます。



べっ甲の色やツヤを表現した平佐べっ甲も、過激な色遣いで不気味な文様を描く、不思議な焼き物に仕上がっています。











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