2015年3月3日

第413巻 「茶碗のみかたⅡ」


第413巻 「茶碗のみかたⅡ」
野村泰三著 1977年刊行 

前著第369巻 「茶碗のみかた」の続編で、著者の野村先生は、焼き物に恋をしていると自称しつつ、その眼力は厳しく深いものがあります。茶席で一番人の目に触れ、接することの多い茶道具は茶碗です。それだけに道具組の主役として、迷い悩み、選び抜く、のは楽しくも難しいのですが、銘品のラインナップに何度もページを行き来してしまいます。



奈良朝時代の焼き物が伝世していること自体が奇跡ですが、この美しさは桃山時代ならば、一国一城、命をかけて数寄者たちが争奪戦を繰り広げたでしょう。
茶の湯以前の焼物の無垢な佇まいは眩しすぎます。



桃山時代のアバンギャルド、古田織部の好みものは、アシンメトリーで、勢いのあるタッチの絵付けが施され、茶に親しむと、ある時期大変に魅力的で心惹かれるのですが、どういうわけかそれを過ぎると、端然とした、さりげない唐津や瀬戸に惹かれるようになってくるのはなぜででしょうか。




江戸期の染付はまさに「おとな可愛い」の連発です。わらびやなでしこ、格調ある姿の中に、さりげなく描かれた絵付けは、工業製品のような染付茶碗が多い近年ほとんど見られなくなっています。



粉引 井戸  は立派なお茶席の花形スターの存在感です。三島は道具組に迷った時のお助けアイテムとして、一つは必ず持つことをお勧めします。




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