2014年11月6日

第408巻 「茶席の花」

第408巻 「茶席の花」
堀江聰男著 1977年刊行

茶花について悩んでいる時、奇しくもこの「茶席の花」の順番になりました。園芸家として、植物園の創設などに力を尽くした一方で、長年茶の稽古を積んだ著者は、客観性に欠けともすれば自らの作品と花入の自慢に陥りがちな茶花の指導を、植物という視点で語り、後文の茶花の心得は茶人としての植物との付き合い方を精神論ではなくわかりやすく実例を挙げて紹介しています。


千利休が切腹を遂げた2月28日は「利休忌」と言い、「供茶(くちゃ)」という点て方で、お茶をお供えします。その傍に欠かせないのが「アブラナ」つまり「菜の花」です。冬の終わり、目の前に近づく春を見ずに旅立った利休居士に想いを馳せる大切な日の茶花です。


青磁の花入に芙蓉を一輪入れるのは、夏の茶席の贅沢で格調高いおもてなしです。蕾のものを用意して、花が開くタイミングを席の流れに合わせる苦労が実った時、亭主の喜びを最大に感じることができます。


秋明菊が咲き始めると秋も本格的になり、単衣の着物が少し寒く感じられます。「風炉」の最後の時期10月の「名残」の季節にぴったりの秋の花です。
椿が咲き始めるといよいよ炉の季節。竹の花入に真塗りの丸板でこれぞ「茶花」といった趣があります。


お正月の「初釜」に欠かせないのが、「結び柳」です。長い柳の枝を一本か二本輪に結んで枝先を床の間に長く引いた豪華さが見どころです。暮れになると茶道具店に予約するのですが、最近は卸元が不作のためピンチになる年もあるそうです。




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