2014年10月10日

第403巻 「伊勢路」

第403巻 「伊勢路」
嵯峨崎司朗著 1977年刊行

「伊勢志摩と文学 海女風土記」という副題がついているとおり著者の伊勢路の旅のプロローグは海女さんたちとの出会いから始まっている。「はじめに」で夫が著者と同じフィリピンに出征して戦死した海女さんが戦死した夫を思い「涙を見せなくても良いから海底で泣く」という話を聞き「海女さんはいつまでも悲しさに敗けてはおられない、海の仕事はそんな生やさしいものではない。夫や子供を養えないようでは一人前の海女ではない。志摩の女はこの鉄則をごく自然に守っている」「志摩を訪ねるのはこの心を忘れないためである」と語る。


伊勢参りが若い人の間でブームになったのはこの数年の事かと思っていましたが、この本の書かれた1977年にもすでにそういった傾向が見られたようです。思えば「ディスカバージャパン」や「アンノン族」の時代でした。


朝熊山の頂上からは伊勢湾と熊野灘が一望できとあって、ドライブの車や観光バスが次々と訪れます。


お盆に集まって亡くなった仲間の供養をする海女さんたちの姿はかなり古代に近い雰囲気が有ります、現在はどのようなかたちかわかりませんが、この当時写真を嫌う年老いた海女さんもいた時代だったのです。


生きたままの魚介をバーベキューにして食するのはたしかに残酷で罪滅ぼしのお祭りをする。命の分け前に預かっているという事実を考えない訳には行きません、がしかし、みごとなエビです。



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