2014年6月30日

第388巻 「日本の陶磁8 信楽 伊賀」

第388巻 「日本の陶磁8 信楽 伊賀」

平野敏三著 1977年刊行


庶民の生活用器を作り続け、職人の仕事として継承された信楽焼を訪ね、焼き物の町らしい雑然たる雰囲気を紹介します。「信楽にも若い人で作家と呼ばれる人たちがいる。しかし、彼らは信楽焼の主流ではないので、この本ではあえて触れない」



若い人たちが集まる陶芸喫茶があるのは、やはり、古くからの焼き物の町らしいです。
試験場もあり、焼き物を科学的に研究分析し、ベテランの職人さんでも、わからないことがあるとここを訪れると聞いたことがあります。




「破れ袋」の水差しは、もともと失敗した作品であるにもかかわらず、ビードロ釉の美しさと歪んだ形、亀裂が破壊的な美の形として数寄者の心を掴み、希代の名品として茶人を魅了し続けています。




三種の釉薬の色のコントラストと、無作為な流れ加減の美しさは思わず見とれてしまいます。この釉が応用された湯たんぽや火鉢があるとは贅沢です!




近世の陶芸職人の姿が絵になっています。「天下の名品などどこ吹く風」とばかりに仕事に精出すご夫婦の姿は、純粋で、ひたすら自らの業を全うする無心が伝わってきます。




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