2014年6月9日

第17巻 「伊豆」

カラーブックス図書目録
第17巻 「伊豆」
安斎秀夫著 年1963刊行

「湯の町エレジー」や「伊豆の踊子」「金色夜叉」など、数々の歌や文学の舞台となり、私たちの身近な保養先でもある伊豆ですが、この本で改めて詳しく見ると、豊かな自然に恵まれ、古くから人々に愛された歴史が見えてきました。




「熱海は爛熟したこの国の観光都市のやむにやまれぬぎりぎりの姿ともいえるのだろう。魚見崎から眺める夜の熱海は妖しいまでの美しさをもっている。その不夜の城のような灯の下にどのような人間同志の葛藤が続けられているのか、知るべくもないが、この美しさは人間が作り出したそれである」
現在の熱海はそのような時代を経て、世の変遷によって却って落ち着きを取り戻し、人情と、豊かなお湯に満ちた穏やかな街という印象を受けます。





伊豆の旅行に行くと、やはり美味しい海の幸のお料理が楽しみですが、中でも伊勢海老は、エビ焼き、お刺身、お味噌汁など、大きなエビたちが惜しげも無く食膳に出てきて、大満足を味わうことができます。




カラーブックスのおなじみ「不思議な食事風景」ですが、歌謡曲で有名になった 浄蓮の滝 や わさび田 など海沿いの地域とは全く違う山深い里の風景が見られます。
「天城のワサビは本場ものとされ、香気が高く、から味はノドを通る一瞬だけでしつこくない。それが東京人の嗜好に合うようである」



源頼朝と北条政子夫妻の二男二女はいずれも、親の政争の犠牲となり、若くして非業の死を遂げましたが、なかでも長男の頼家は、源氏の継承者であったがために、養育を任された比企一族と、母の実家である北条家の野望が災いし、修善寺に幽閉され暗殺されるという悲劇の運命をたどりました。歌舞伎「修善寺物語」の舞台としても名高いこの地域は、文学や歴史を好む旅行者がいまでも大勢訪れています。



8 件のコメント:

  1. カラーブックス017『伊豆~カラーガイド』マイランキングベスト10に入るナンバーです。どのページを開いても半島に生きる人々の息吹が身に沁みます。昭和37年10月20日初版、まだまだ神秘溢れる伊豆の魅力が満載、詠む度に心が洗われる思いがします。カラーブックスカフェさん、ご紹介有難う御座いました。

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  2. ありがとうございます。
    昭和38年当時の風景、浴客や、地元に生きる人々の姿、そして著者の人生観までも語る紀行文は単なる観光ガイドではなく、伊豆の旅を深い、思索的なものにしてくれますね。

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  3. Twitterより
    @RX7700「伊豆」出身としては非常に感慨深いです。熱海の夜景は海上ホテル(現存せず)からでしょうか。建物や乗り物の様子は変わり続けますが、山河の風景だけはなるべく不用意に壊さないでほしく思います。安斎先生の文章もなかなか読み応えがあり、大好きな一冊です。

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  4. Twitterより
    @colorbooks_cafe@RX7700
    ツィートありがとうございます。熱海はカラーブックスのような賑やかな時代が終わり、人情味豊かな地元の心ある方々が守り通した、本来の自然や伝統が、いま穏やかな灯火となって光ってように思います

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  5. Twitterより
    @toranokobunko19:
    『伊豆』良い感じに紹介されていますね。私もいいずら伊豆のはしくれ。郷土の山野に日々感謝しています。お時間有りましたら是非のんびりと都会の汗を落としにお越しください。

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  6. Twitterより
    @colorbooks_cafe @toranokobunko19:
    ツィートありがとうございます。神奈川のお隣で、温泉、自然、歴史,美味しいものと旅の楽しみが全て揃う伊豆。癒しの小旅行にこれからも、お邪魔させて頂きます!

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  7. @toranokobunko19: カラーブックスカフェさんの『伊豆』に触発されて岩波写真文庫の本棚から一冊ご紹介〜岩波写真文庫138『伊豆半島』 http://t.co/AYwRJxPHin

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  8. Twitterより
    @toranokobunko19:
    前ツイ画像 『岩波写真文庫138 伊豆半島』はじめに。1956年2月初版 http://t.co/KT2ECdI6SS

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