2014年5月27日

第385巻 「寄席-よもやま話-」

第385巻 「寄席-よもやま話-」
藤井宗哲著 1977年刊行

江戸と上方の寄席と演芸を舞台から楽屋まで紹介し、昭和を代表する演芸家の方々の懐かしい姿に沢山お会いできます。著者の藤井宗哲氏は僧侶であり、鎌倉建長寺の典座を務めた経験から、鎌倉で精進料理を紹介する活動を行われて有名なかたですが、多趣味で、演芸にも大変造詣が深いユニークな先生です。




大衆園芸のメッカである浅草演芸場は現在もその姿は変わりありません。時代の変化で演芸を楽しむ人が少なくはなりましたが、最近は新しい感覚の芸人さんとそのファンである若い人で新たな賑わいを見せているそうです。

 


上野黒門町の本牧亭は講談専門の席として江戸以来名を馳せて来ましたが、惜しくも平成11年に閉場してしまいました。下町の駄菓子屋そのものの売店も今は見ることができません。初めて寄席に行ったときに、お菓子やお弁当をいただきながら鑑賞することが許されていることに、驚くと同時に、食べながら飲みながらマナー良く楽しむ人が多いことに、最近の劇場の注意書きだらけの殺伐感を思いました。


出囃子の楽器を弾くお三方の格好良さに打たれました。観客席からは見えなくても、ここにも磨き抜かれた芸の世界があります。


昭和最強の噺家、柳家小さん師匠は高座に座っている姿だけでもオーラを感じさせます。この柔和な風貌ながら剣の達人であったそうです。


テレビの演芸番組でおなじみの漫談のトリオ。三味線とギターの取り合わせが独特の音色でした。派手な着物の着流し姿も昭和の芸能の世界を象徴しています。


昭和50年代でも落語家の生活にはまだ「江戸」が残っています。朝は仏壇の灯明を灯し、自宅では長火鉢の前に座り、出勤のとき火打石を打つおかみさんも江戸の女性そのもの、歩く姿も江戸の粋人の風格が満ちています。






0 件のコメント:

コメントを投稿