2014年2月17日

第358巻 「花菖蒲-あやめ類」

第358巻 「花菖蒲-あやめ類-」
富野耕治著 1976年刊行

5月になると「しょうぶ園」「あやめ園」などをよく訪れますが、しょうぶ と あやめ の違いも深く考えることなく、深紫の美しい姿と香気にうっとりと鑑賞するだけでした。それらの花々の姿を手元に起きたいと思いこの本を求めましたが、そこには深く広い美の世界があることを知りました。


原種のハナショウブは日本に自生していた花ですが、冬野寒さが厳しい土地を好むそうです。自社の庭園に「菖蒲池」が多く、古来から日本人に愛でられ、伊勢神宮の境内にも崇高無垢な姿を現しています。



肥後系という品種は「江戸系の流れをくむハナショウブですが、園芸上、最も改良が進んだもので、大輪豪華な花型が特徴です。「久遠の雪」は誠に詩情溢れる名前をつけたものです。「殿上人」はその名前と深い紫の品格が、源氏物語を思い起こさせます。



世にも有名な尾形光琳の屏風はあやめ族のカキツバタの姿をたくみに描いています。江戸時代にもあやめ や しょうぶは着物や装飾品の模様にもなっていて、日本人の美意識の原点のひとつであるといえるでしょう。


五月の連休の頃、庭や公園などの木陰に シャガ  がひっそりと咲いています。しょうぶ のミニチュアのような小さな花がとても可愛らしいので、皆さんも気に留めて、ぜひ探して見て下さい。






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