2014年1月31日

第351巻 「小住宅の庭」


第351巻 「小住宅の庭」
吉田徳治著 1976年刊行

「小住宅」「小庭園」では文化住宅的な和洋折衷の近代的住宅と庭作りが紹介されました。十年近い月日を経て、さらに進化した小さいけれど近代数奇屋作りの住宅の小スペースを利用した、枯山水や茶庭など、まさに「市中の山居」の趣です。見ているだけで楽しいですが、「いつかこういう庭が作りたい」と希望を与えるところが「小住宅」の庭なのでしょう。



巻頭の「この本の利用の仕方」に「計画を進めて行く間には、いろいろとわからない場面にぶつかることがあると思います。そのような時は何事にかかわらず遠慮なく著者の方へ問い合わせて、自分の庭づくりを楽しみましょう」とあり、巻末には先生の住所が記されています。時代が違うといえばそれまでですが、その熱意と広い心に敬意を表します。



小さくとも完成度の高い作品です。飛び石がきちんと母屋まで続き切り株や草花で野趣を表現し、訪れる人はひととき外の世界を忘れて過ごすことのできる、そんな庭作りです。



蹲踞を配した小さな路地。2ー3人のお客様、あるいは一客一亭の小間の茶事にピッタリです。また、灯篭に明かりを灯せば夜咄や暁茶事も可能です。打ち水も清々しく緑鮮やかで、清められた蹲踞に亭主の心遣いが表現されています。


家の中まで坪庭を作ると遊び心が感じられて楽しいです。玄関を入った中に蹲踞を置き、そこからお客様を誘導するのも、外にスペースがない場合の素晴らしいアイデアとなります。







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