2013年12月25日

第338巻 「文楽」

カラーブックス図書目録
第338巻 「文楽」
大鋸時生 三村幸一著 1975年刊行


「はじめに」で「あなたは、どのくらい文楽を見物しましたか、となると十人のうち大半が頭を掻くだろうと残念ながら思える」大阪に生まれ大阪で育った「文楽」は大阪訛りで語られる特殊な芸能ではあるものの、日本にとって大切な芸能として広く理解を得、護りたいという著者の志が結晶した一冊です。


                    

「文楽とは、大夫が、太三味線の伴奏で語る義太夫浄瑠璃の内容を、三人遣いの人形の演技で舞台化する芸能である」
文楽人形は、丸い下膨れの輪郭、色白で大きな瞳。江戸前美人とはタイプの違う上方女性の美がここに形を成しています。



文楽の代表といえば近松門左衛門の作品です。「曽根崎心中」「心中天の綱島」など、愛情の機微と社会生活の相克である「義理」に縛られる男女の悲劇が、大阪の風土と季節を舞台に描かれています。



歌舞伎でヒットした作品を文楽にアレンジして、傑作となったものもあります。「勧進帳」は数多くの名優によって演じられました。「歌舞伎では名門の御曹子が配役優先権を握っていて新人進出のチャンスは少ないが、文楽では全く実力主義。父の威光も師匠の庇護も役立たない。本人の実力そのものの勝負の世界だ」



文楽では人形のことを「首(こうべ)」と称し、能面と同様に芸能の表現を支える大切なものとしています。「首」は小さな仕掛けが様々に凝らされていて美しい顔から突然鬼の顔に変わるなど、表情豊かでわかりやすく表現するのが特徴です。











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