2013年12月29日

第2巻 「桂離宮」

カラーブックス図書目録
第2巻 「桂離宮」
和田邦平著 1962年刊行




カラーブックス創刊の第2番目のタイトルは「桂離宮」です。「ヒマラヤ」とは180度違う洗練と格調高い世界に見えますが、実は360度で行きつく場所は同じなのかもしれません。

          
「十七世紀のはじめ、八条宮智仁親王、智忠親王の親子二代が、平安の古き良き時代をなつかしみ、豊かな教養と富を注入し、思し召すままに造営された桂離宮の、環境と調和したすがすがしい明るさと、みやびやかな姿は、簡素な日本美の象徴として世界に名声を博している」



「桂離宮が造営された趣旨は、親王はじめ利用者の日記や手紙によっても知られるように納涼、観月、賞花、茶湯、演技のためであった」近世の高尚な楽しみが結集しています。




創始者である智仁親王は「きわめて庶民的な茶湯を好んでいたから、初期別荘の利用の目的には、必ずや四季折々の来遊に際し、当時各階級の日常生活に溶け込んでいた茶湯の方式と心、用と美の精神が考えられていたに違いない」



「この別荘が藤原貴族の趣味に発したといっても、造営されたのは、桃山の新興階級が台頭する時代である。それは中世の枯淡な、きびしい境地をくぐってきた現実尊重の近世初期である。日本人の住居生活の芸術化をはかるにふさわしい時と所と人を得て桂離宮が出現したと言えないだろうか」





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